元ネタはPassion For the Future さんのこのエントリから。
村上龍と伊藤穰一の二人の対談となっていて、非常に読みやすい一冊でした。
村上龍のまえがきによるとポジティブな本らしい。ウェブ進化論のポジティブさとは何が違うのか?って読んでみたのですが、こちらの本は「日本のこれから」「日本人のこれから」について語った本です。二人のすごい交友関係や、オタク論が読めて興味深かったのですが、特に(日本を外から見つめるという)外からの視点という話は、これからも考えるべき、と思いました。
以下引用部分とコメント
- page31(村上) 人間はコミュニケーションする動物だから、何か伝わっただけでもきっとうれしいんだろうね
- page43(伊藤)で、今、僕のブログのなかでは、2500年前の歴史からさかのぼって、日本人と中国人、韓国人、それにアメリカ人も加わって、一緒に、共通認識できる歴史をネット上でつくろうじゃないかという動きが起きている。
→歴史の教科書は、各国で国の教育方針の都合の良いように表現されているのが普通だと思うので、世界共通で使えれる歴史の教科書ができる、そういう可能性を含んでいるかも、って思いました。「先生、ネットと違うことは教えてないでください。」みたいな授業風景が起きるかも。これえってすごいことなんではないかって。グーグルも世界政府のシステムを作るという目標だけじゃなくて、こういうことを始めて欲しいですね。 - page48(村上)イラクには報道のカメラが入れない場所がたくさんある
→全然知りませんでしたね、これは。 - page49 (伊藤)アマチュア革命
→ウェブ進化論のオープンソースとかチープ革命に通ずるものあり。 - page56 (村上)経済的な格差が、心の豊かさに直結する時代になったわけだよね。
→豊かな側がどれくらい豊かではない側の怒りを理解できるか?また吸収できるようなシステムは作れるか?豊かな側が圧倒的な発言権や支配権を持たずに、豊かでない側にも同じ権利を与えるべき(頭では分かっているけど、実行するのは相当難しいかも)だけど、なんか今のままだとお金持ちが勝ち、という構図になりそうな感じもする。 - page79(伊藤)「あなたと会っていると自分の娘は結婚できないから」
→新しい差別社会みたいなものを感じさせる怖い発言。 - page80(伊藤)思想家のボルテールの有名な言葉で、「あなたの言うことには一切同意できないが、あなたがそれ言う権利は死んでも守ってみせる」
→これは確かに名言だと思う。ぐっときますね。 - page90(伊藤)そういう決定権と責任があいまいなシステムが、日本という国をとても複雑な国というイメージにしている。
→この行だけではなくて、一連の決定権と責任(をとる義務)の下りは面白いですね。 - page108(村上)意見の対立は問題じゃなくて、議論の前提がないことが問題だ。
→クリントンの言葉らしいですが、これはいいこと言ってます。同じ土俵で話をする、同じ定義の言葉を使って誤解のない議論をする、問題もちゃんと定義付けてから議論する、これはどんなシチュエーションでも大事なことです。自分自身できてないけど。 - page111(村上)建前というのは、要するに自分の利害を表に出さないということでしょう。それに対して本音というのは、単に本心を語ることじゃなくて、利害を表に出すことなんだよ。
→目鱗。 - page119(村上)「ちょっと待って、もう少し説明してくれないか」という態度が、とても大事だと思う。
→できてないので、がんばります。 - page190(村上)ただ「間違っている」と言うのではなくて、「そういう考え方だとこれだけ損をする」という風に話せば、相手も耳を傾けるかもしれない。
→主義主張だけではなくて、経済合理性で相手に分からせるという文脈なのですが、これはいろんな場面で使えそうです。というか使っていかないといけないのかな? - page199(村上)パワーがないと生きていけない。
→こういうの当たり前だけど、文字にして読むとぐっときますね。
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