もうありとあらゆるディックの本の表紙の絵が集められています。 すごい枚数で、たまんないっすね、これは。 国ごとで全然絵が違うのもまた興味深いです。
Philip K. Dick - Book Cover Art Gallery
例:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
日本語版だけで三種類もあるんですね。
Source : Philip K. Dick - Book Cover Art Gallery on digg
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ようやく読み終わった感があるのですが、スキャナー・ダークリー、これいいです。この読後スッキリ感は久々に味わいました。最後の数ページまでは、PKディック作品に良くあるダークな感じが漂ってて暗ーくなりそうでした。でもでも...これ以上書くとオチ(こういうオチがあると映画化しやすいかな?)に関わりそうなので、このへんでやめておきます。これ、ディックの最高作品かもっておもいました。映画のほうも楽しみなのですが、「流れよ我が涙...」でも読んでみましょうかね?以下は、ちょっと印象に残った部分を引用(オチに関わりそうなのもあったので、出してないのもあります。)
page50 いったい人間の正体とはなんだよ。(中略)演技はどこで終わる?
page105 値打ちのある品物にかぎって、たいがいは盗品だ。その品物に値打ちがある証拠。
page313 実をいうと、そのふたつの品物がなしとげることにくらべて、たんなる死そのものがなにをなしとげるかについては、あまり確信がない。
上巻では主にアメリカの外で起きていることを明らかにして、下巻ではまずアメリカの中で起きていること、これから起きようとしている事に対して、強い警鐘とともに明確な提言を行っています。核装備といった軍事的な脅威が目に見えるという冷戦時代からその経済的な脅威が見えない(故意に見えなくされているかも?)静戦時代に入ったのかもしれないなと思いました。著者は、アメリカの、特に教育システムの、危機とその対策を提言していますが、このシステムは少子化が加速してかつ移民も受け入れてない日本でこそ推進していくべきなのかもしれません。ニートの問題が取りざたされてますが、例えば移民を受け入れて、静戦の脅威を目に見える形にするといったことも効果があるかも。
page11 私は自分の娘たちとそういう会話をしたくない。だから、ふらっとな世界にいる彼女たちへのアドバイスは単純明快で味気ない。「いいか、私は子供の頃親から『トム、ご飯をちゃんと食べなさい。ーーーーー中国とインドの人たちは食べるものもないのよ』といわれた。おまえたちのアドバイスはこうだ。宿題をすませなさい。ーーーー−中国とインドの人たちがおまえたちの仕事を食べようとしているぞ」
早速いい文章が。この人は、分かりやすく表現するのがうまい。
この戒めは、これから徐々に大きくなりつつあるアメリカ人の苦悩をうまく表しているかも。
page12 私の辞書の無敵の民とは、「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されることがない人」を意味する。
これまたすばらしい。知識労働者はこれにつきるでしょう。ドラッカーもにたようなこと言ってたかも。
page14 ここで大胆な予言をしよう・・・現在もかなりその傾向があるのだが、将来、国際貿易の重要な特徴は、物が箱に入れられるかどうかとは無関係になる。そうではなく、サービスの質をまったく低下させずに、あるいはほとんど低下させずに、電子的な手段で遠いところに配達できるかどうかが問題になる。(プリンストン大学のアラン・ブラインダーの論文より)
モノの貿易とビット(やサービス)の貿易の金額ベースでの比率を見てみたいと思いました。かなり後者が増えてるんでしょうね。かつ、どういう感じでお金が流れていて、その流速というか加速具合がわかるとこの予言がすでに起こっていることが良くわかるかも。
page21 (デルの)付加価値は、誰にも負けない合成能力だ。消費者の需要を中心に合成するのが、成功の秘訣だ。
自分の得意分野は他人と違う突出した何かであるべきだと思うのですが、今世の中に出回っている素材をいかに合成していくか、というのはいい表現ですね。素材というところで、料理の"合成技術"を思い出しましたが、Web2.0なんかでは、素材はデータとサービスってことになるんですかね?
page22 複雑なことをうまく説明できたら、ビジネスチャンスは確実にひろがる。
おっと、簡単に書いてあるけど、大事なこと実現が難しいこと。コンサルタントには元々必要とされている技術なのかも。
page44 「アメリカその他の裕福な国々は、自分たちの社会に実際に存在する仕事ができる労働者を生み出す教育システムへ移行しなければならないだろう」
無敵の民 新ミドルになるためにどんな教育を受ける(受けさせる)べきかということを言っています。極端にいうと、アウトソースされない仕事に就けるような、またそういう仕事を創れるような人材を育てるための教育システムが必要になるということかな?学校に限らず、企業においてもこれはいえるかな?
page47 フラットな世界では、IQ(知能指数)も重要だが、CQ(好奇心指数)とPQ(熱意指数)がもっと大きな意味を持つ、と私は結論づけた。
また、おもしろい言葉が出てきました。CQとPQが高いと自然とIQが高くなりそうです。つまり、IQの高さはCQとPQの高さに比例しそうな気がします。ここを読んで、エジソンが電球を発明したときのエピソードを思い出しました。
page53 外国人が左脳の仕事を安くできるというなら、われわれアメリカ人は右脳の仕事をもっとたくみにやろう。
アメリカ人を日本人に置換して、頭に刻んでおくことにします。
page89「(インテルの)国際大会に出場が決まると、大学の入学試験が免除されます。」
中国ではこういうことしてるそうです。人口が多い分、層も暑いようですが、こういうシステムが学生のモチベーションを高めているんでしょう。さて、日本では?高校生クイズなんてやってる場合じゃないのかも...
page119,120 (インテル会長クレイグ・バレットの言葉)「かりにアメリカ人をこの先一人も雇わないとしても、現在では、世界中の優秀な人材を雇うことができるし、それで繁栄していける」
これまたガツンとくる一言。企業が繁栄するために今やアメリカの最優秀クラスを雇わなくても良くなっている。単純なアウトソースを心配している時代じゃなくて、すでにより高度な仕事すらアメリカ人が必要とされてないという事実ははっきりいって怖いですね。インド中国からアメリカにアウトソースする時代が来る?
page242 優良企業は、縮小するためにではなく、勝つためにアウトソーシングする。
勝つ方法は、アウトソーシング等によるコスト削減ではなくて、保有している資産の有効活用をさらに進めるため、と考えたほうが良さそうです。これは、アウトソーシングされるほうも、アウトソーシングするほうも、強く意識したほうがよさそうですね。
12章フラットでない世界は読んで暗くなってしまうような内容です。
”力を奪われた人々”:インドの新たな格差社会という爆弾について書かれた箇所です。先日起きたムンバイの爆破テロがこれに当たるかどうかは分かりませんが、ニュースではビジネスへの影響と声高に言ってましたので、当たらずとも遠からずかもしれません。
”やりどころのない不満を抱えた人々”:アラブ・イスラム世界の変化・進化を嫌悪し排除しようとする過激な人々について書かれた箇所です。端的にいえば、ビン・ラディンに代表される暴力によって、アメリカなどに屈辱・侮辱を与えている人たちの話です。世界はフラット化しつつあるのに、自分たちは海抜のすさまじく低いところに位置していることの不満。またフラット化され風通しが良くなる世界によって、イスラム教による宗教支配が困難になることへの不安。この二つを解決するために、世界のフラット化を進めるアメリカ・ヨーロッパに対して攻撃し、屈辱を与えることで自分たちの低い位置にいるという不満を解消しようとしている、といったことを著者は書いています。これをどうやって世界的な解決に結びつければいいんでしょうね?アメリカがグロバリゼーションを進めれば進めるほど、アラム・イスラム世界の過激派にとっては不満の種になるし、その不満を押さえつけるために武力で解決しようとしてももっと無理でしょう。
”エネルギー危機への処方箋”:新たな天然資源戦争の火種はすでにくすぶっていそうです。page309のマラッカ海峡、中国、アメリカの関係は非常に興味深いです。知りませんでした。中国やインド、ロシアといった新たな天然資源大喰らい国家を説得するには、先進国がまず模範を示す必要があります。
page312 (ある中国人留学生の台詞)「アメリカやヨーロッパは好きなだけエネルギーを消費して発展してきたのに、なぜ中国が消費を抑え、環境に気を配らなければならないんですか?」
page314 中国がエネルギー消費を大幅に減らすように仕向けるには、アメリカが消費形態を変えて手本を示すのが一番いい。そうこで初めて、われわれは他人に説教する資格が持てる。「エネルギーに関するわれわれの倫理的立場を回復することが、いまや国家安全保障と環境問題のために重要になっている」と、(エネルギーエコノミストの)バーレガーは指摘する。
page317 (ブッシュ政権をかなり批判したあとで)グリーンこそが、新しい愛国心なのだ。
中国には、新しいエネルギー消費方法によってより高い生産性・競争力を得られる、といったことを教えていくか気づいてもらうのが良い気がしました。グリーンこそが新しい愛国心、というのはかっこいい台詞です。ステッカーにしたら売れるんじゃないでしょうか?
第13章 ローカルのグローバル化という章からは以下を引用しておきます。
page322 ローカルのグローバル化は「逆グローバリゼーションである。グローバルなメディアがアジアを押し包むのではなく、その地域のローカルなメディアがグローバルにひろがる。」
page325 しかし、資本主義や市場主義、自由貿易を押し広げることだけが、グローバリゼーションなのではない。グローバリゼーションは純然たる経済現象ではないし、経済のみに影響をあたえるのではない。もっと幅広く、深く、複雑な現象であり、新しい形のコミュニケ−ションやイノベーションがそこに含まれている。
これは、YouTubeやGoogle Videoのコンテンツを観てるとよくわかります。こういうフラットなメディア発信・配信サービスはあっという間に世界に広がって、コンテンツがローカルから世界に配信されてる。個が自身のイマジネーションを最大活用して創作するコンテンツは大きなメディア(政治とか宗教とかも含めて)を脅かす力になる日も近いかも、そんな気がします。
第14章 デルの紛争回避理論では、現在のグローバル化したサプライチェーンがもたらす世界の安定につい書かれています。簡単に書くとグローバル化サプライチェーンに組み込まれた国は、サプライチェーンに組み込まれることによって経済の安定を得ており、迂闊に(サプライチェーンを破壊する、また破壊からの復帰を困難にする)戦争や紛争に手を染めることができなくなっている、ということでしょうか?2002年インド・パキスタンの緊張状態がいい例のようです。そういう火種がアメリカやその他の先進国に与える影響の大きさはとんでもなく大きくなっていることが分かります。アメリカはやっぱり武力ではなくて経済活動で世界を安定させるべきな気がします。それがよく表現されているのが、以下。
page351 「失礼を承知でいいますが、マクドナルドが店じまいしても問題ありません。でも、ウィプロが店じまいしたら、とんでもない数の企業の日常業務に支障がでるでしょう。」
日本と韓国が政治的にはなにかと不安定な感じがしますけど、お互いの経済依存度が高いために絶対に破綻しないでしょうね。あんまり韓国が日本を叩きすぎると日本国内に嫌韓的な雰囲気が広まるかも。韓流なモノが流行っている(もう下火なのかもしれませんが...)のは政治的な反感の反動なのかもしれません。
Page353以降の負のサプライチェーンともいうべきアルカイダの例は空恐ろしいものがあります。このサプライチェーンが完璧に動いているというのも世界のフラット化の一面でもあるようです。こういう活動をあきらめさせるようにするには、これもまた武力ではないような気がします。
この章は以下のような印象的な言葉で締めくくられています。
page365 「神が人間をバベルの塔から地の全面に散らし、言葉が通じ合わないようにしたのは、人間が協力すること自体を望まれなかったのではない。神が激怒されたのは、協力の目的に対してだった。天に届く塔を建て、神になろうとしたからだ。」
page366「人間が力を合わせるのは神に背くことではない。目的が問題なのだ。お互いに意思を伝え、共同作業を行なう新しい能力を、正しい目的のために使わなければならない。」
最終章となる第15章 イマジネーションでは、14章の最後で語られた正しい目的の共同作業を行う上でのイマジネーションの重要さを強調しつつも、アメリカ政府(はっきり言えばブッシュ大統領)の現在の間違いを厳しく指摘しています。
最後に引用してこの感想文を終わりにします。また時間を開けて読むとこの本の凄さが分かるような気がします。
page401 「人間は人に教えられるのではなく、自分の目で確かめた結果として変わる」
新しいキーワードとして、グローバリゼーション3.0(かなりフラット化した感の世界の状態を表す?)というのを知りました。ここのところ読んできた「ウェブ進化論」(Googleによるフラット化)「個のダイアローグ」(フラット化しつつある、特にジャーナリズムや個人の立ち位置について書いた本)につながる部分が多くて、この本が一番網羅性が高いかもしれません。それぞれ、同じテーマを違う面から書いている語っているようです。やっと上巻を終えたので、下巻を読み始めています。
まずは、ますます進むアウトソーシング•オフショアリングの話。インドの例を見ると、ソフトウェアやコールセンタなどビットでやり取りが可能なサービスは、どんどんアウトソースされていることが分かる。アトムもかなり中国にオフショアしている。中国の中でもどんどん労働力の安いところに工場が移りつつある(なんて言えばいいんだろう、ドメスティックアウトソーシング?)。この加速的な動きはしばらく衰えそうにない。
以下、引用部分とコメント
page57 大連市 夏市長の台詞「中国人の英語は全体としてインド人の英語ほど上手ではありませんが、なにしろ人口はこちらのほうが多いですからね。(だから)英語が流暢で優秀な学生を選り出せばいいだけです。」→こういうのって、力技、いやいや人海戦術(もっといえば、人口戦術か)ですよね。
page58 同上「いまはあながたがアメリカが設計者、建築家です。発展途上国は煉瓦を積む職人です。でも、いつの日か、われわれも建築家になります。」→問題はいつその日が来るか?もうきているのか?
ホームソーシング ジェットブルーの事例
→なかなか進みそうで進まなかったテレワークとか在宅勤務のいい例となって、どんどん広まるでしょうか?日本型の勤務体系だとやっぱり無理かな?page127 AJAXを新しいスタンダードとするのは違和感あり。AJAXは単なるユーザインタフェースの表現方式と位置づけたほうがいいと思います。AJAXを使った便利なインタフェースを提供している企業•ウェブサイトはたくさんあるけれど、それがフラット化と何が関係があるのか不明。
page136以降の「アパッチ」はカタカナで書かれるとすごく気持ち悪いです。Apacheにしてください。HTTPとかFTPとかローマ字なのにこれだけなぜ?
page140 オープンソーシングって始めて聞きましたが、一般的な言葉ですか?オープンソース(みんなで修正できるソースコード)という名詞形だと、ingは付かないと思います。
page147の「インターネット技術タスクフォース」ってのも直訳でしょ?IETFって書いて訳注して欲しいです。
page174 ブログ半球ときましたか...これまたびっくり翻訳。ブロゴスフィア(blogosphere)で通じると思います。
page198 ルイ•パスツールの言葉「幸運は心構えのできた人に見方する」
→いい言葉ですね。ぼけっと待ってるだけじゃ、幸運は訪れないってことですよね。page199 アフリカの諺の一部「日が昇ったら、走りはじめたほうがいい」
→これまたいい言葉。生きるためには走り続ける必要がある世界に生きていることを改めて認識したほうがいいのかも。この本によると、「中国は足の速いライオン」らしいです。page238 インソーシングの事例 UPS
UPSは単なる運び屋ではなくて、顧客の戦略的なロジスティックの一部をまかなっている。一番驚いたのが、PCの修理を実施している部分。これがメーカ、ロジ、顧客すべてにとって有益となっている。モノを運ぶ+αという戦略的なパートナーシップ。page306 「いまや、『インドにいなければならないのか』ではなく『インドいられるかどうか』が悩みになっています」
→すでにインドでIT関係の仕事に就くのは大変な競争下にあるそうで、インドで就職するのが難しくなっているそうです。こういうのを読むと大変なことが起きているんだな、というのが良く分かります。page332 「しかし、社会的な結びつき、信仰、民族としての誇りなど、市場とは無関係な価値観をもたらしてくれるゆえに大切にされている社会制度や慣わしや文化や伝統が、非効率そのもののである場合もある。グローバルな市場と新しいコミュニケーション•テクノロジーがこうした差異までフラット化したら、重要な物事が失われるおそれがある。(中略)グローバル市場に供給できない価値観を守るために、どこまで流れに逆らえばよいのか?摩擦の原因のなかには、それらをフラット化しようとするグローバルな経済に逆行しても守らなければならないものがあるはずだ。」
→グローバリゼーションの負の面を端的に表現しているかも。いびつなフラット化が進んでいるのかも。関係ないけど、Googleが中国政府に屈した件を思い出しました。同じ単語を同じ言語で検索して、いる国によって結果がまるで違う。こういう不平衡なフラット化の行く末はいかに?page373 (元Netscapeのマーク・アンドリューセンの言葉)「人間の欲求とニーズは無限だと思うことだ。そうすれば、生まれる産業も、始めるビジネスも、やる仕事も無限にある。人間の想像力だけが、それを制約している。」
→ちょっと勇気づけられる言葉なんですが、欲求はプラス方向だけじゃなくてマイナス方向もかなりあるってことを忘れないようにしないといけないかなと思います。
元ネタはPassion For the Future さんのこのエントリから。
村上龍と伊藤穰一の二人の対談となっていて、非常に読みやすい一冊でした。
村上龍のまえがきによるとポジティブな本らしい。ウェブ進化論のポジティブさとは何が違うのか?って読んでみたのですが、こちらの本は「日本のこれから」「日本人のこれから」について語った本です。二人のすごい交友関係や、オタク論が読めて興味深かったのですが、特に(日本を外から見つめるという)外からの視点という話は、これからも考えるべき、と思いました。
以下引用部分とコメント
ずっと読まなきゃと思いつつ、積ん読になっていた、ジェフリー•ムーアのキャズム、一挙に読みました。
ベンチャー企業に限らず、消費者の行動様式をまるで変えてしまうような不連続なイノベーションといわれる新製品や新サービスを世に出していこうとする企業が、それをどうやってマーケティングし、売っていくかという方法論が書かれた一冊。
いわゆるイノベーティブな製品というのは、創る側からすれば「間違いなく売れる」という自分の技術に酔うような状態になってしまいますが、実は大きな市場に展開する段になるとキャズム(深い溝)に陥り、まったく先に進めない状況になってしまう。本書はこのキャズムに陥らないためにはどうすればよいかという点を中心に論じています。仮にもSIer会社の一員としては、非常に勉強になる一冊でした。
製品・サービスそのものの名前がついたマーケットではなく、その製品・サービスを使っている顧客をイメージできるかどうか?という点は、デザイン会社のIDEOの発想法にも似ているような気がしました。(あの本も読まなきゃな)また、キャズムの向こう岸にいる実利主義者が買いやすいような製品・サービス戦略の意味や自社だけでなく競合相手からも浮き出てくるような市場でのポジショニング(ポジションステートメントは今後もいろんなところで使いたいです)が大事だということも分かって、満足な一冊です。新作のライフサイクルイノベーションも楽しみです。
残念なことに、帯に書いてあるようなドリームキャストやPC98がなぜキャズムに陥ったかについては書かれてません。(よく考えたら当たり前か、アメリカの人だもんね。)帯の裏についてはもほとんど書かれてないです。ここに書いてある製品•サービス群のキャズム?評価という本があれば、読んでみたいですね。
以下に印象的だった箇所を少し
これまたおもしろい本に出会いました。(元ネタは、404 Blog Not Foundさんのこの記事) この本、ホント目鱗がボロボロと落ちる感あり、科学史を読み解くゾクゾク感ありといった読み物、最後の方は哲学的な面ありで、理系な私にとっては面白く一挙に読めました。読みやすいフォント、行間が功を奏しているのかもしれません。 いろいろとおもしろい部分があるのですが、印象的だったキーワードを並べてみます。
共約不可能性ということを知ると、気が楽になりましたが、逆に今までのモノの見方というのも改めなきゃなという気になりました。
こちらでかなり流行っていて原文で読もうとしたんですが、結局断念してしまった「blink!」が翻訳されたので、読んでみました。
要は、経験や知識たっぷりのプロが第一印象で感じたことはかなりの確率であたるということのようです。ただし、その第一印象はなんの先入観も無い状態でないと悲惨な結果をもたらすという事例もたくさん書かれています。
私には、感情と表情の関連について書かれた部分がかなり印象的でした。
Page212
すぐには信じられないかもしれない。私たちはまず感情を体験し、それから顔にその感情を出す(あるいは出さない)ものだと思い込んでいるからだ。顔の表情は感情のおまけ、というわけだ。しかし、このプロセスは逆方向にも働くことが実験で示された。感情は顔の表情から始まることもあるのだ。顔は内面の感情を表す副次的な表示板ではなく、感情のプロセスにおける対等なパートナーだったのだ。
思い浮かんだ感情が表情になるだけではなく、顔の表情がそれにあたる表情を生むというのは、にわかには信じがたいですね。ということは、嫌いな人の前でも「あなたのことは嫌いじゃないです。」という表情を続けることで、その人に対する感情が変わっていく可能性があるということなんでしょうか?まーそんな簡単にはいかないとは思いますが、そういう可能性も示唆されているように思いました。
この感情と表情も関連以外にもたくさんの事例が記載されています。ただ、帯に書いてある売り文句はちょっと大げさかもしれませんね。
おーとうとう10巻達成ですか、くらたま先生おめでとうございます。
今回もだめんずな方々のすざまじいエピソードを読んで、毎度の感想ですが世の中いろんな恋愛(といえるのだろうか?)している人がいらっしゃいますね。
今回は、城咲仁ちゅう人の大技集に感動しちゃいました。目鱗ですね、使う機会無いけど(笑
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